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【レビュー/評価】『摩天楼の風景: EARTHMEN 第1巻』crystal115の感想

 

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こんな人におすすめ!
○リアルな設定が好きな人
○能力者が登場する作品が好きな人

 

 今回は、crystal115さんの『摩天楼の風景: EARTHMEN 第1巻』を読んでいこうと思います。

 

何やらとある能力を持つ登場人物が登場するんだとか!

 

一体どんな物語が待ち受けているのか?

 

気になるので、早速読んでいこうと思います!

 

 

【あらすじ】


1970年代。

 

東西ドイツの統一をめざして、冷戦時代を生きる若者たちがいた。

 

名門伯爵家の異形の当主、シュテファン。イギリス王室にも繋がる大貴族の出身で、治癒能力をもつ国連の青年政務官ローランド。

 

物理的能力をもち、国連保安局に所属する日本人少女の千晶。

 

類まれな美貌で国連事務局ビルを騒がせる、東ドイツ出身の青年アーネスト。

 

東西それぞれの陣営の思惑と利害が交錯し衝突する中、謎の組織ローゼンクロイツと、その盟主ウォルフガングもまた暗躍する。

 

時として時代の荒波にのみこまれそうになりながら、日本人として、女性として、国際社会における人種差別や性差別と闘うヒロイン千晶は、時代とともに成長していく。


21世紀に共存を問う、異色のローファンタジー

 

【私的満足度】

 

 読みやすさ ★★★★★

 表 現 度 ★★★★★

 おもしろ度 ★★★★★

 総合満足度 ★★★★★

 

【感想】

 

変化していく世界情勢、主人公の悩みと葛藤、各登場人物の個性などが鮮明に描かれていた作品でした!

 

めちゃくちゃ詳細に書かれていて、どっぷり物語に浸ることができました。

 

それでは、私が感じたことを少し書いていこうと思います。

 

① 変化する世界情勢

 

本作の舞台は1970年代、冷戦時代です。

 

どんな時代かというと、各国がピリピリしており、睨み合いを続けている時代です。

 

そんな時代で物語は始まります。

 

本書では各国の情勢、思惑、動向が詳しすぎるくらい事細かに書かれていました!

 

(詳しく書かれ過ぎていたので、私が付いていけなくなったのは内緒です笑)

 

それにしてもリアル!

 

小説でこれくらいリアルな設定のものは少ないかもしれませんね。

 

国際情勢の変化、各国の思惑などが好きな人は、どっぷり物語に浸かれること間違いなしです!

 

作者さんのこだわりが、ひしひしと伝わってくる設でしたので、ぜひ、皆さんにも読んでいただきたいと思います。

 

② 主人公の過去と差別

 

主人公の千晶は、物理的能力を持つ能力者です。

 

物理的能力とは、テレポーテーションなどのものを動かす能力を想像してもらえると、わかりやすいかもしれませんね。

 

そんな千晶は国連保安局に所属し、能力の訓練を受けています。

 

変わらない日常を暮らす彼女ですが、能力があるが故の悲しく暗い過去があります。

 

それが理由でPTSD心的外傷後ストレス障害)になってしまいます。

 

少女がPTSDになってしまうほどの悲しく暗い過去とは?

 

悲しく暗い過去も事細かに書かれておりますので、ぜひ、読んでいただきたいと思います。

 

また、主人公は人種差別や性差別の被害に遭います。

 

心が痛くなるほど、詳細に書かれていました。

 

本作で描かれている人種差別や性差別は実際にあるものばかりです。

 

それが故、主人公の辛さがひしひしと伝わってきました。

 

そんな差別に遭いながらも、主人公は逞しく生きていきます。

 

差別に遭うのはとても辛いことです。

 

それを乗り越え、自分の成長に変えようとする主人公の姿に感銘を受けました。

 

何だか、こちらまで生きる勇気をもらえちゃいました!

 

「私も主人公の千晶のように、逆境に抗い、逞しく生きていきたい!」

 

そう思わせてくれる内容となっておりました。

 

主人公から勇気や希望を貰いたい人には、ぜひ読んでいただきたい作品です!

 

③ 甘酸っぱい恋

 

本作は悲しい過去や差別などの暗い話ばかりではありません。

 

もっと平和な物語が読みたいなぁと思ったあなた!

 

ちょっと待ってください!!!

 

本作でも、ハートフルな物語がしっかり描かれています。

 

そのハートフルな物語とは、ズバリ!

 

「能力者少女の甘酸っぱい恋」です!

 

とある男性に恋心を抱く主人公。

 

能力者だって恋がしたい!

 

しかし、能力者故の悩みが主人公を襲います。

 

「能力を持っていることを受け入れてもらえるのか?」、「私と付き合うことになったら、好きな人が危ない目に遭うのではないか?」などの能力者故の悩みです・・・

 

葛藤する主人公の姿がより繊細で、かつ、詳細に描かれていたので、めちゃくちゃ主人公に感情移入してしまいました!

 

果たして、恋の行方は!?

 

恋の行方はぜひ、本書で確認してみてくださいね!

 

④ 特殊能力者部隊「近衛連隊」発足

 

訓練や恋に大忙しの主人公ですが、そんな彼女にとある転機が訪れます。

 

それは、特殊能力者部隊「近衛連隊」の発足です。

 

能力者である主人公も、この部隊に加わることになります。

 

部隊に加入した主人公は、厳しい訓練の日々に明け暮れます。

 

そして訪れる「合同演習」。

 

合同演習の目的は、とあるターゲットを確保すること。

 

個人的には、この合同演習がめちゃくちゃ面白かったです!

 

「簡単そうに見えて、一筋縄ではいかない目的」、「能力者であることを逆手に取った戦術」、「垣間見える訓練の成果」など様々な要素が詰め込まれていました。

 

私は「能力者であることを逆手に取った戦術」がお気に入りです!

 

「そんな攻め方があるのか・・・」と度肝を抜かれました。

 

手の内を知った時は、まるでミステリー小説を読んだ後のような驚きを味わうことができました!

 

まさか、本作でミステリーのような感覚を味わえるなんて、思ってもみませんでした。

 

とてもわかりやすく、かつ、丁寧に描かれている場面でしたので、誰でもこの感覚を味わえると思います!

 

他では味わえないこの不思議な感覚に触れてみませんか?

 

【まとめ】

 

今回は、crystal115さんの『摩天楼の風景: EARTHMEN 第1巻』を読んでみました。

 

リアルな設定、主人公の葛藤、面白すぎる戦術が詰め込まれた1冊でした!

 

それにしても、面白かった・・・

 

主人公から、困難に立ち向かう勇気ももらえました!

 

また、他の作品では中々味わえない感覚に浸ることもできました!

 

リアルな設定や能力ものの作品が好きな人には、ぜひ、おすすめしたいと思います。

 

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crystal115さんの他の作品

・摩天楼の風景: EARTHMEN 第2巻

 

・摩天楼の風景: EARTHMEN 第3巻

 

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