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【レビュー/評価】『よろず富川呉服店』まゆ川十胡の感想

 

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こんな人におすすめ!
○ハートフルな作品が好きな人
○レトロな雰囲気が好きな人

 

 今回は、まゆ川十胡さんの『よろず富川呉服店』を読んでいこうと思います!

 

昭和30年代後期が舞台のこの作品。

 

私は昭和にあまり詳しくないので、なんだかワクワクします!

 

どんな物語が待っているのでしょうか?

 

気になるので、早速読んでいこうと思います。

 

 

【あらすじ】

 

昭和30年代後期。

 

北海道の、とある山深い炭鉱町に暖簾を掲げるただ一軒だけの小さな小さな呉服店

 

その店に、道東出身の真田福子が嫁入りした。

 

特に何の取柄といったものがない平凡な福子は、現店主である姑・千登勢の気性に馴染めず、気後れする新婚生活を送る。


加えて、小姑1人、住み込みのお針子姉妹という大所帯で、自分の居場所を探し、孤軍奮闘する日々。


店の繁盛→傾き→家庭不和→ロマンス&離婚の危機?→持ち直し …という紆余曲折を得て、頼りないひよこのようだった福子は立派な成鳥へ進化する。


張り切ってプレゼンテーションした試作品はボロと言われ、お針子姉には胡麻すりと言われ、姑には溜息をつかれようが、それでも福子は負けない。


土地にも場所にも環境にもめげず、自分の腕で仕事を生み出す楽しさに目覚めたごく普通の女性と、その女性を取り巻く名もなき人々の、衝突と絆の物語。

 

【私的満足度】

 

 読みやすさ ★★★★★

 表 現 度 ★★★★★

 おもしろ度 ★★★★★

 総合満足度 ★★★★★

 

【感想】

 

めちゃめちゃハートフルな物語で、心温まりました!

 

人間味あふれる主人公の行動にも注目です。

 

それでは、私が感じたことを少し書いていこうと思います。

 

① 時代は昭和30年代後半

 

本作の舞台は、昭和30年代後半です。

 

昭和30年代と聞いて、皆さんは何を思い浮かべますか?

 

私は昭和に全く詳しくないので、何も思い浮かべられません汗

 

なので、昭和30年代について、少し調べてみました。

 

昭和30年代(1955年〜)は、第二次世界大戦から約10年が経過した年代です。

 

神武景気という好景気が始まったのも、この年代です。

 

好景気の影響により、三種の神器が出現し始めます。

 

三種の神器とは、冷蔵庫、洗濯機、白黒テレビのことを指します。

 

三種の神器か・・・

 

歴史の教科書で見たことある!

 

なんだか、少しずつ時代背景を想像できてきました。

 

昭和30年代を知る上で、最も参考となる映画があります。

 

それは「ALWAYS 三丁目の夕日」です。

 

この作品は見たことがあります!

 

なんだかレトロな雰囲気が漂っていた作品だったことを覚えています。

 

また、皆さんご存知の「となりのトトロ」が描かれている時代も昭和30年代です。

 

だいぶ、時代背景を理解できました!

 

昭和30年代は、とってもレトロな雰囲気が漂っている時代なのです!

 

時代背景を頭に入れながら、本作を読み進めていこうと思います。

 

② 時代を想像できる情景描写

 

時代背景を少し頭に入れてみましたが、時代の詳細を理解できたわけではありません・・・

 

「昭和を知らない私でも、本作を楽しめるかなぁ・・・」と思っていましたが、全然大丈夫でした笑

 

めちゃくちゃ詳細に情景が描写されていました。

 

昭和30年代に全く詳しくなかった私でも、情景をありありと想像できました!

 

それにしても、「なぜ、情景をここまで想像できたのか?」

 

私なりに少し考えてみました!

 

詳細な情景描写もさることながら、効果的に”比喩”が使われていたため、情景を鮮明に想像できたんだと思いました。

 

やっぱり、自分が見聞きしたことない事柄を想像するのは難しいです。

 

しかし、見聞きしたことないものが、比喩により、知っていることに例えられ、関連づけられたおかげで、見聞きしたことがない事柄を想像できたんだと思います!

 

色がついた情景を想像できたのは、久々でした。

 

とにかく、それくらい情景描写が詳細だったんです!

 

昭和のレトロな雰囲気を楽しみたい方は、ぜひ読んでみてくださいね!

 

③ 細かい心情表現

 

詳細な情景描写の他にも、この作品には魅力があります!

 

その魅力は、細かい心情表現です。

 

小説の醍醐味の1つとして、「登場人物の心情表現に触れる」ことが挙げられると思います。

 

その醍醐味をしっかり味わいながら、読めちゃいます!

 

行動、仕草、言動の全てにおいて、感情が事細かに表現されていました。

 

ここまで詳細だと、筆者の作品に対するこだわりが伝わってきます!

 

喜怒哀楽が素直に頭の中に入ってきますので、とっても読みやすかったです。

 

心情表現を読み取るのが苦手な人でも、本作を楽しめることができます。

 

「読みやすい小説が読みたい!」と思っている方にも、おすすめしたい作品となっていました!

 

④ 心温まるハートフルストーリー

 

本作は情景描写・心情表現などの表現方法に優れていますが、それだけで終わらなかった!

 

ストーリーも面白かったんです!!!

 

心温まるハートフルストーリーに感動すること間違いなしです。

 

北海道のとある山深い炭鉱町に嫁入りした主人公の福子に、さまざまな出来事が襲い掛かります。

 

姑との関係、嫁ぎ先の店でのトラブル、離婚の危機などなど、さまざまな出来事が起きちゃいます・・・

 

いろんなトラブルが起きても、福子はめげません!

 

持ち前の性格で1つ1つ解決していきます。

 

彼女がめげずに立ち向かう姿から、勇気をもらえました!

 

そして、ただトラブルを解決しないのが、本作の魅力。

 

福子の人情溢れる温かさで、トラブルを解決します。

 

福子の温かさから繋がる人々の優しさ、さらに強くなる人々に絆にも注目してほしいです!

 

【まとめ】

 

今回はまゆ川十胡さんの『よろず富川呉服店』を読んでみました!

 

詳細な情景描写と心情表現が魅力的なこの作品。

 

また、主人公の人間味に惹かれ、勇気をもらえました。

 

人の温かさに触れたい人に、ぴったりの作品となっておりました!

 

ペーパーバック版も発売されるそうです!

 

この作品が紙の本になるなんて・・・

 

めちゃくちゃ楽しみです!

 

皆さんもぜひ、お手に取ってみてくださいね。

 

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